チュートリアルシナリオ

1.はじめに
このシナリオはソリスト合唱団の「時空旅行RPG VEILED」に対応したものとなっています。
シナリオの舞台は日本の江戸時代ごろを設定しています。
簡単なシナリオですので、「VEILED」をはじめてプレイする方、TRPGをはじめてプレイする方、ゲームマスター役をはじめてつとめる方にも向いていると思います。
プレイヤー人数は2人〜4人を想定しています。少人数の場合でも、タイムリミットが厳しい・敵が強すぎて困る、といった状況には陥らないかと思います。
それでもゲームの進行が行き詰まってしまった場合や、逆にスリルのある戦闘などを楽しみたい場合は、ゲームマスター(以下GM)がご自由に改変してください。

なお、当シナリオは東京ビッグサイトで開催されたゲームマーケット2016秋において、ソリスト合唱団ブースの試遊台でプレイされたシナリオを元に作られています。
試遊台のプレイに参加して頂いた皆様方への感謝を、この場をお借りして述べるとともに、その後修正、加筆された箇所があることをあらかじめ述べておきます。

2.導入
「時空旅行RPG VEILED」ではその名の通り、プレイヤーキャラクター(以下PC)たちは過去・未来などの時空を旅して、行く先で事件を解決する、というのが基本コンセプトになっています。
このシナリオでは依頼人として、漁師らしき一人のみすぼらしい人物が多時空間企業を通して、PCたちに以下のようなことを訴えてきて、事態の解決を頼んできます。

・数年前から虎井有之助(とらい・あるのすけ。余談ですがトライアル(trial)のもじりです)と名乗る悪代官の圧政に村は苦しめられ、重税で人々の暮らしもままならない。
・村の人が訴えてもらちがあかないため、時空旅行者であるPCたちに悪代官・虎井有之助を成敗するか、あるいは改心させてもらいたい。

「時空旅行RPG VEILED」では依頼人も、PCたちと同じく時空を旅することができるという「セカイの秘密」に気づいている、というのが基本コンセプトになっています。
この漁師は試作(ためさく)と名乗ります(余談ですが試作、の読み方を変更したもじりです)。性別年齢などは特に決定していませんので、各GMが自由に設定してください。
特に思いつかない場合は、男性で「オラの村が大変なんだべさ」「どうか助けてくんろ」といった、典型的な田舎っぽい口調を使うキャラクターにするのが、一番分かりやすいかと思います。

試作(ためさく)は「セカイの秘密」を知ってはいますが、虎井有之助による圧政でどうにもならず、神頼みをしていたら未来の人(PCたちや多時空間企業のことです)が何とかしてくれるらしい、程度の認識しか持っていません。
PCが試作(ためさく)のことを怪しむ可能性もあるかと思いますが、GMは(ロールプレイなどを通して)詳しいことは知らない、ということを伝えてください。
試作(ためさく)に悪代官のことや村のことなどを詳しく聞く場合は、「時空旅行RPG VEILED」のシステムとして「映像学習クォータ」が用意されており、その場を利用すれば詳しいことが分かる、とGMが伝えれば、ゲームが円滑に進行するでしょう。

試作(ためさく)のことをあまりに疑うプレイヤーが居た場合は、「映像学習クォータ」を利用すれば試作(ためさく)が嘘などをついていたとしても分かると伝えて、納得させるのも手です。
ただ、このことをGMはプレイヤーに対して、安易に伝えるべきではないでしょう(これは重要な「セカイの秘密」であるとともに、今後シナリオを続ける場合の仕掛けなどが、やりづらくなるためです)。

ファンタジー世界を題材としたTRPGに詳しいプレイヤーが居る場合には、多時空間企業がいわゆる冒険者の店(酒場)に相当する、と説明するとわかりやすいかと思います。
このシナリオを解決するPCたちには、1人あたり10クレジットの報酬が与えられます。作りたてのPCたちに与えられる報酬としては、これくらいが相場でしょう。

3.映像学習クォータ
今回のシナリオでは、C-8とC-1の2つの地点に映像情報が用意されています。GMはこの2箇所を「知識判定」で調査できること、その数値が高ければ高いほど得られる情報も多いことを、PCたちに伝えてください。
PCが達成した目標値に応じて、GMは以下の情報をプレイヤーたちに伝えてください。

C-8:目標値3 試作(ためさく)が暮らしている、このシナリオのスタート地点となる漁村がある。悪代官である虎井有之助の圧政により、寂れている様子だ。
目標値7 漁村の過去の光景がわかる。数年前は重税に苦しめられることもなく、漁業によってそれなりに栄えていた。
目標値10 漁村の未来の光景がわかる。虎井有之助による重税に耐え切れず、どうやら完全に廃村となってしまったようだ。
目標値13 漁師たちはB-8の地点で沿岸漁業を営んでいるようだ。昔はよく釣れたカツオやサンマなども、乱獲によって数が減ってしまっている。

C-1:目標値3 悪代官、虎井有之助の館がある。部屋には豪華な調度品などが飾られ、いかにも成金趣味といった風情だ。
目標値7 虎井有之助の前の領主が治めていたころの、過去の光景がわかる。以前は穏当な治政が敷かれていたが、当時は配下だった虎井有之助が武力によって成り代わった。その時、虎井有之助は鎧兜に身を包んでおり、剣の腕にも長けているようだ。
目標値10 虎井有之助が海や山の幸をふんだんに利用した豪華な食事を楽しんでいる様子がわかる。未来の光景も見えるが、栄養価の高い食生活のおかげか老いてもなお健在で、このままでは圧政は長く続くことだろう。
目標値13 虎井有之助には腹心となる忍者がいるようだ。その忍者に虎井有之助が何か命令をして、2人でいかにも小悪党といった笑いを浮かべているのが見て取れる。
目標値15 虎井有之助「この館に民草を近づけさせぬよう、細工は進んでおるだろうな」忍者「はっ。首尾は上々でございます」といった、具体的な会話がわかる。

プレイヤーたちが不慣れな場合や、さらに事前情報が欲しいと強く希望した場合、あるいはプレイヤーが3人でそれぞれ1回ずつ「映像学習クォータ」に参加したいと希望した場合などは、GMの裁量によってこの2箇所以外の「!」マスを、事前調査できることにしても構いません。
その際の目標値や具体的な情報などは、GMが自由に決定してください。ただ、「通常クォータ」で実際に過去へと降り立った時の期待感を損なわないよう、与えられる情報は少なめに、何が起きるのかをほのめかすような内容であることが好ましいでしょう。

「映像学習クォータ」を終えたPCたちは、いよいよ時空旅行へ旅立つことになります。
時空間企業には時空旅行専用のベッドがあり、そこでPCたちがゴーグルをつけて横たわると、たちまち過去へと遡ることができます(VRの世界をイメージすればわかりやすいかと思います)。
どのような形で時空旅行をするかの細かい描写は、プレイヤーやGMがなじみやすいものに自由に設定しても構いません。例えばカプセル型の機械に体ごと入り、転送されるといったシーンも映画などでよく見られる光景でしょう。

4.通常クォータの開始
シナリオはC-8の地点からスタートとなります。「映像学習クォータ」の情報通り、ここには漁村がありますが、虎井有之助の圧政により寂れており、いかにも活気がない様子です。
C-1の地点に虎井有之助の館があり、PCたちにそこまで直談判に赴いてほしい。そして虎井有之助を改心させるか、あるいは成敗してほしいというのが、試作(ためさく)をはじめとする村人たちの依頼です。

このシナリオに設けられた制限時間は3日です。GMはミッション管理シートをプレイヤーたちに渡して、そのことを伝えてください。
このシナリオの目的は、虎井有之助を成敗する、あるいは改心させて、漁村に敷かれている圧政を取り除き、平和に暮らせる状況にすることです。

C-1に到着するまでの、いわゆる「一本道シナリオ」ですが、そこに至るまでの過程、虎井有之助の処遇はプレイヤーの判断に委ねられます。
シナリオ開始の時点でGMは、プレイヤーたちの意見が虎井有之助を成敗する方向か(戦闘ルート)、改心させる方向(交渉ルート)なのかを、確認することを推奨します。
さりげなく尋ねる(村人のロールプレイを通して「どうするおつもりですか?」などと問いかける)のがベストですが、GM役が不慣れな場合は直接、プレイヤーに聞いてしまっても構いません。
また、C-1の虎井有之助の館にPCたちが到着した時にも、改めてプレイヤーたちの方針を聞いたほうが良いでしょう。

C-8で漁村の村人に詳しい話を聞く場合は、「交渉」による判定をPCに行なわせてください。その場合の難易度は0+山札のカードで、成功した場合、得られる情報は以下の通りになります。
プレイヤーが具体的にどんなことを聞くかに応じて、達成値の変動やそれによって得られる情報などを、任意に変更させても構わないでしょう。
また、「交渉」でアクションを起こしたにも関わらず、依頼先である村から何も情報が得られない、というのは不自然ですので、失敗した場合も達成値0の、最低限の情報は伝えてください。

達成値0 7年前からC-1の領主が虎井有之助に代替わりして以来、漁村は重税によって苦しめられている。B-8の漁場で獲った魚の多くを献上することになってしまい、村の暮らしは苦しくなる一方だ。
達成値2 虎井有之助は美食家のようで、村で獲れた魚や森の幸、山の幸などに目がない。
達成値4 虎井有之助は武芸に優れ、鎧兜に身を包み、刀を帯びている。村人に直接手をかけるようなことはしないが、武力行使が怖くて逆らえない。
達成値6 虎井有之助には腹心となる忍者がいる。名前は中取丸(ちゅうとりまる。余談ですがチュートリアル、のもじりです)。忠実な配下なので寝返るようなことはないだろう。
達成値8 漁村を離れた村人によって作られた隠れ里が、山間のどこかにあるらしい。
達成値10 C-6では山菜などの山の幸が獲れる。このことは虎井有之助も知らない、村人だけの秘密だ。この山菜のおかげで、何とか村は食いつないでいる。

漁村ではアイテムやクレジット(お金)のような、具体的な報酬をもらうことはできません。魚料理でもてなすことくらいはできますが、その場合ゲーム内での時間は進行してしまいます。
プレイヤーたちが強く望んだ場合は、B-8の漁場で手に入る魚(カツオやサンマなど。GMが任意に収穫できるものを決めてしまっても構いません)をこの場で渡してしまっても構いません。
ですが、せっかくの時空旅行ですしPCに実際にB-8まで移動してもらい、自分の目で魚を発見し、捕まえてもらうほうがプレイとしては盛り上がると思います。

試作(ためさく)をはじめとする村人は、PCたちに同行することはありません。もし同行してもらったとしてもゲーム上のデータは用意されておらず、判定の手助けなどにはならないことを、GMはプレイヤーに伝えてください。
5.通常クォータ イベント一覧
C-8の漁村からC-1の虎井有之助の館に移動するルートは、おおまかに分けて2通りが考えられます。B列の平坦な街道を通るか、D列のやや険しい林道を通るかは、もちろんプレイヤーの自由です。
それぞれの地点で発生するイベントは、以下の通りです。

B-2:川が流れています。鮎やイワナといった、川魚が泳いでおり、それを釣ることができます。プレイヤーが望むのであれば、判定の必要なしに川魚を手に入れることができます。
B-3:虎井有之助の部下である、忍者中取丸によって罠が仕掛けられています。調査及び感知の難易度は0+山札のカードです。感知に失敗した場合、落石によって3のダメージを受けます。
B-5:虎井有之助の部下である、忍者中取丸によって罠が仕掛けられています。調査及び感知の難易度は0+山札のカードです。感知に失敗した場合、深い落とし穴によって2のダメージを受けます。
B-6:虎井有之助の部下である、忍者中取丸によって罠が仕掛けられています。調査及び感知の難易度は0+山札のカードです。感知に失敗した場合、浅い落とし穴によって1のダメージを受けます。
B-8:海が流れています。カツオやサンマといった、海の幸を獲ることができます。プレイヤーが望むのであれば、判定の必要なしに海魚を手に入れることができます。

C-3:人里離れた山間で、ここでは松茸を獲ることができます。C-4の隠れ里の住人はこの場所の存在を知っています。プレイヤーが望むのであれば、判定の必要なしに松茸を手に入れることができます。
C-4:隠れ里があります。C-8の漁村から、圧政を逃れるため密かに移ってきた村人が住んでいます。隠れ里で起こる詳細なイベントなどは、項目を改めて解説します。
C-6:山菜やきのこなどの、山の幸を獲ることができます。プレイヤーが望むのであれば、判定の必要なしに山の幸を手に入れることができます。
前述した通り、漁村の村人はこの山の幸で何とか食いつないでいます。そのため、山の幸を持った状態でC-8に戻る(まず考えられませんが)などして見つかった場合、村人の心証を損ねるでしょう。

D-2:深い森の中にまいたけなどの森の幸が生えています。プレイヤーが望むのであれば、判定の必要なしに森の幸を手に入れることができます。
6.GMターンでのキャラクターの処理
このシナリオに登場する、GMが管理する必要のある主なNPCは、敵対勢力である虎井有之助、その腹心の忍者中取丸の2人です。
虎井有之助はルールブックの「侍」を、そのままデータとして使ってください。装備や設置物などの変更はありません。
中取丸はルールブックの「忍者」を、そのままデータとして使ってください。装備や設置物などの変更はありません。
2人とも時空を旅することができるという「セカイの秘密」は知らない、ただの小悪党です。「侍」も「忍者」も戦闘能力は高いクラスですが、そのままのデータではPCの強敵とはならないでしょう(特にプレイヤーの数が多い場合は)。
スリルのある戦闘を楽しみたい場合は、装備などを任意に変更してしまっても構いません(場合によっては「忍者」が「宇宙服」を着ることになり、彼らもまた「セカイの秘密」を知っている人物ということなりますが、その際の設定や辻褄はGMが自由に決めてください)。

虎井有之助は自分の館であるC-1地点を、離れることはありません。代わりに腹心である中取丸に偵察を命じて、近づいてくるPCたちを警戒します。
「むむっ、何やら怪しい奴らがこちらへ来ておる。中取丸よ、調べてまいれ」「はっ」などと、一人芝居で会話を交えるとプレイが盛り上がるでしょう。

偵察する中取丸も、積極的にPCと戦う姿勢は見せないでください。「忍者」1人でPC全員と戦うのは無謀です。
「何とかならぬのか」「拙者1人では無理です。援軍を呼ぶ必要があるかと」「ええい、仕方ない」。ですが援軍が実際に到着するのは、シナリオに設定された制限時間である、3日後のことになります。

虎井有之助が美食家であるという性格を強調したい場合、またプレイヤーに情報を与えたい場合は、偵察がてらB-2やD-2に中取丸を移動させてからC-1に戻り、「これで英気を養ってください」「おお、美味いのう」などとやり取りをさせましょう。
いずれにせよ、PCたちが近くまで迫ってきた場合はC-1の館に2人とも篭城する形で、警戒している様子をGMは演じてください。

GMは「忍者」の設置物である「マキビシ」や「道の偽装」を設置してPCを妨害したり、「侍」の設置物である「城」を設置して戦いに備えるなどしても構いません。
ゲームの進行上大きな障害となる可能性があるため、プレイヤーが不慣れな場合や、移動が順調に進んでいない場合、これらの設置物を使用するのは控えるべきでしょう。

7.隠れ里でのイベント
C-4には隠れ里があります。圧政に苦しむ漁村の村人が移り住んでできたもので、(間抜けなことに)虎井有之助はこの隠れ里の存在に気づいていません。
平和に暮らしているため、「虎井有之助を何とかしてほしい」という依頼を改めて強調することはありませんが、虎井有之助に対して良い印象をもちろん持ってはいません。

隠れ里でもアイテムやクレジット(お金)のような、具体的な報酬をGMは、積極的にはプレイヤーに提示しないことが望ましいでしょう。
ですが高い移動アクションの目標値を達成して、隠れ里を見つけ訪れたPCたちに対して、何のメリットもないというのも不平等かもしれません。
そうした意見がプレイヤーたちに出た場合や、積極的に報酬を求められた場合は、交渉判定を改めて行なってください。この判定の難易度は0+山札のカードです。
その結果成功した場合は、以下のような成果をPCたちは得ることができます。

達成値0〜4 の成功 虎井有之助や中取丸が設置物を設置していた場合、それを村の忍者が解除してくれる(設置物がない場合は、松茸ご飯でも後でご馳走してくれるだけにとどまる)。
達成値5以上の成功 この時代に即したクラス(「侍」か「忍者」、「宣教師」)のアイテムを、どれか1つだけ渡してくれる。

隠れ里はシナリオ上、必ずしも訪れる必要がある場所ではない(訪れない可能性もある)ため、特に重要なイベントは用意されていません。
ですが場合によっては、C-3で松茸が取れることをプレイヤーたちに教え、最近その地点が荒らされている、虎井有之助のしわざに違いないなどと村人のロールプレイを通して伝え、プレイヤーたちの正義感に訴えかける展開も面白いでしょう。

8.虎井有之助の館でのイベント
C-1の虎井有之助の館に到着した際、改めてPCたちが問答無用で成敗しに来たのか(戦闘ルート)、それとも圧政を改めるよう話し合いに来たのか(交渉ルート)、GMはプレイヤーに確認してください。
明らかに戦う気満々の場合や、逆に平和主義的な考えがはっきりしている場合は、こうした確認はしなくても構わないでしょう。
また、TRPGですから交渉すると見せかけて不意打ちを仕掛けたり、逆に武力で脅して改心させようとする、といった展開ももちろんありえます。

主に戦闘ルートと交渉ルートの2つに展開を分けて、GMが虎井有之助たちの行動指針をどのようにするべきか、以下に述べておきます。
虎井有之助は欲深く(主に美食面について)、お世辞にも賢いとは言えない人物ですが、根っからの悪人というほどでもありません。
中取丸は虎井有之助の忠実な配下であり、ワイロなどで裏切るといった展開はまずないでしょう。

2人とも武士道精神は持ち合わせてないため(虎井有之助のクラスは「侍」ですが、そのことは性格に関係はありません)、戦いで劣勢になれば降参し、悔い改めようとします。
戦闘ルートになった場合、GMターンが回った際に、虎井有之助や中取丸のHPが残り少ない場合は「悪かった、許してくれ」と戦意を喪失して、降参する姿勢を見せてください。
演技ではなく、心の底から反省しての態度ですが、本当にそのまま許すかどうかの判断は、プレイヤーに委ねられます。

交渉ルートの場合は、ただ「圧政をやめてほしい」と伝えるだけでは、虎井有之助は聞き入れないであろう(私欲にまみれているのと、頭の回転が良いとは言えないため)という点に、GMは注意してください。
逆に「漁村に重税を課したままでは、やがて魚も獲れなくなり、おいしい料理が食べられなくなるかもしれないが、それでも構わないか」などと道理を説けば、大いに説得の余地はあるでしょう。

道中で山の幸や森の幸、川魚をPCたちが入手して持参していた場合、それを献上します(あるいは献上がてら、圧政を改めるというお願いがあって参りました)などという発言があれば、虎井有之助との交渉においては有利に働くでしょう
交渉の仕方次第によっては逆に、「自分が食べるはずのごちそうを横取りするとは何事じゃ」などと、虎井有之助が大いに機嫌を損ねる可能性も大いに有り得ます。

いずれにせよ、プレイヤーたちがどのような内容の説得を用意したかによって難易度の数値を設定し、それに山札のカードを足して、「交渉」判定を行なってください。
この交渉が実質的なクライマックスになりますので、プレイヤーが協力して判定に支援のカードを出すことが予想されるため、難易度は高め(少なくとも5)に設定すべきでしょう。
判定に一度失敗しても、GMは再度「交渉」ができるという措置を取って構いません(話し合いにそれだけ時間がかかっている、という設定になります)。

説明が前後しましたが、「VEILED」及びTRPGにプレイヤーが不慣れの場合、またはC-1の虎井有之助の館に乗り込む前に、移動などでアクションのカードが費やされている際は、
他の行動に費やすなりパスをするなりして、ゲーム内の時間を経過させる代わりに、手札を補充したほうがプレイヤーが有利になる、というアドバイスを、GMは事前に行なっても構いません。

虎井有之助の館ではPC側、GM側ともに様々なアクションが行なわれることが考えられます。
単純に戦闘だけのクライマックスでももちろん構いませんが、できればGMはプレイヤーの意見を聞き入れて、柔軟なマスタリングをするよう心がけると、プレイも盛り上がることでしょう。

9.エンディング
戦闘ルートの場合、虎井有之助と中取丸を倒せば、そのまま解決となります(虎井有之助が先に倒された場合、中取丸は降伏します)。
交渉ルートの場合、「交渉」の判定に成功すれば、虎井有之助は「うむ、そなたらの言うことももっともじゃ」などと言って(偉そうな口調でロールプレイしてください)、漁村に対する圧政を改めることをPCたちに告げます。

虎井有之助を成敗するか、改心させることができれば、無事にエンディングを迎えることができ、シナリオクリアとなります。
戦闘で敗北するか、制限時間の3日を過ぎてしまった場合はシナリオ未達成となりますが、簡単なシナリオに設定してあるため、バッドエンディングを迎えることはおそらくないかと思います。

過去の時代から現代へ帰る場合は、シナリオに設けられた制限時間内でしたら、プレイヤーが任意のタイミングでいつでも戻ることができます(例えば2日で事態を収拾させた場合、残り1日のんびりしていても構いません)。
現代に戻ると、そこは時空旅行専用のベッドの上でした。まるで夢を見ていたかのようですが、PCたちが時空旅行を経験した、というのは確かな事実です。